NBA.com/Japan '07-08シーズン プレビュー
サウスウェスト・ディビジョン
By Masayoshi Niwa

プレイオフを狙えるチームと、再建中のチーム。それが、はっきりと分かれているディビジョン。前者はもちろん、昨季のプレイオフにも進出したジャズとナゲッツであり、後者は、ブレイザーズ、ソニックス、ティンバーウルブスである。今季もその傾向は続くが、数年すれば、全く立場が逆になる可能性も。ブレイザーズはグレッグ・オデンを、ソニックスはケビン・デュラントを得て、彼らは新しいチームの歴史を、まさにこれから刻もうとしている。
 
 
ドラフト前から高い評価を受けていたデュラント。新たなスターの誕生となるか。
Terrence Vaccaro/NBAE/Getty Images
デンバー・ナゲッツ
(2006-07シーズン 45勝37敗、ディビジョン2位)

ナゲッツは、カーメロ・アンソニーアレン・アイバーソンのコンビで、初めてのフルシーズンを迎える。昨季は、シーズン途中でアイバーソンが加わり、互いが、いやチーム全体が手探りの中でプレイを続けた印象。昨季の後半、そして1ヶ月間のキャンプを得て、二人がどんなスタイルを築き上げるのか、まずはそこが興味深い。

サポーティングキャストは、インサイドにネネイマーカス・キャンビーらがいて、悪くない。ケニオン・マーティンもようやく復活。かつてのようなプレイは期待できないだろうが、エネルギッシュなプレイスタイルで、ヒートがファイナルを制したとき(2006年)のアロンゾ・モーニングのような役割に徹することが出来れば、チームにとってはプラスになるだろう。

ミネソタ・ティンバーウルブス
(2006-07シーズン 32勝50敗、ディビジョン3位)

ついにケビン・ガーネットのトレードを決断したティンバーウルブスは、再建を模索中。シーズン直前になってヒートからベテランのアントワン・ウォーカーを獲得したが、これは、ヒートのドラフト指名権が目当てだとされる。

その再建に関しては、ケビン・マクヘイルGM自ら、「その道は、平坦ではない」というほどで、確かにボストンからトレードで獲得した選手、ドラフトで獲得した選手を見ても、将来のチーム像がまだ見えてこない。

チームとしてはセルティックスとのトレードで得たアル・ジェファーソンに中心選手としての成長を期待しているが、彼とてまだ、4年目の選手。22歳の彼にガーネットの穴を期待するのは、少し酷といえよう。

結局は、今年のドラフトで獲得したコーリー・ブリュワー、昨年のドラフトで入団したランディ・フォイ、またセルティックスから獲得したジェラルド・グリーンらを我慢して起用しながら、経験を積ませる中で、チームの方向性を見出したい、というところか。それは1年で済むとは思えない作業だが、来季のドラフトなども睨み、ゆっくりとポスト・ガーネット時代のチームを作り上げていくしかない。

ポートランド・トレイルブレイザーズ (2006-07シーズン 32勝50敗、ディビジョン4位)
ブレイザーズは、ドラフト1位でオデンを指名すると、いきなりプレイオフ進出が現実的となり、シーズンチケットの売り上げが伸びたというが、その金の卵がシーズン前にヒザを手術。1年を棒に振ることが決まると、チケットを買った人から払い戻しのリクエストが殺到したというから、自然と今のチーム状態が知れる。

しかしながら、ブランドン・ロイ、ラマーカス・オードリッジを中心に、チームには若い選手が多い。再び彼らに実戦で経験を積ませるような戦いをできるという面では、プラスに考えることが出来よう。例えば、シューターのマーテル・ウェブスターあたりがさらなる成長を見せるなら、オデンが復帰する来季は、今年以上にシーズンチケットを購入するファンの数が増えるかもしれない。

シアトル・スーパーソニックス (2006-07シーズン 31勝51敗、ディビジョン5位)
オデンに続き、全体の2位でデュラントを獲得したソニックスは、レイ・アレンをボストンに放出し、ラシャード・ルイスもFAでマジックに移籍したが、将来に向けては、確かな布石を築いた。

ボストンとのトレードでは、ジョージタウン大出身のジェフ・グリーンを獲得し、将来のポイントガード候補として、4年目のデロンテ・ウエストも手に入れている。

また、ルイスを手放したものの、将来に向けてのサラリーキャップ枠も十分。数年後には、プレイオフ、いや、タイトルを狙えるチームになるだろうとの期待は、そんなところにもある。

ただ、チームは移転問題に揺れている。オーナーとシアトル市は対立を続けたままだ。ファンとオーナーも対立しており、今季は異様な雰囲気の中での1年を強いられるかもしれない。23日のプレシーズンゲームでは、デュラントが足首を捻挫。それが、今後の厳しさを暗示しているようでもあった。

ユタ・ジャズ (2006-07シーズン 51勝31敗、ディビジョン1位)
もちろん今年も、地区優勝に最も近いのは、ジャズだろう。カルロス・ブーザーデロン・ウィリアムスメメット・オコワー三人は昨季、チームをカンファレンス・ファイナルまで導いた。

ただ、アンドレイ・キリレンコがシーズン前にトレード志願すると、それに対してチームメートも、彼の態度を非難するようなコメントを出しており、その内情は必ずしも順調とはいえないようだ。キリレンコがこれ以上チームに悪影響を及ぼすようなら、シーズン中のトレードは十分にある。